未経験者必見! 系列系ビルメンの実務作業 ~空調調整作業  前編~

ビルメン 系列 実務 作業 空調 ビルメン実務

こんにちわ、白味噌です。

 

今回は系列系の実務作業について、詳しく描いていきたいと思います。

 

そもそも独立系と系列系でもらっている給料や福利厚生に差があるわけですが、年収が上がるなら『難しいこと』・『面倒くさいこと』をやらされるのではないか???と思う人がでてくるんなじゃいかなと思います。

 

これから定期的に発信する、白味噌が実際に対応した系列系ビルメンの実務作業を通じて、系列ビルメンが『どういう作業をしているのか』を知ることで、系列企業へステップアップする人が増えることを祈ります
※勿論、未経験者のかたにも、こんなことするんだ、、、程度で頭にいれてもらって業務に就いていけるようなってほしいと思います。

さて、作業といってもいくつもあると思うので今回はまず『空調調整対応について』書いてみたいと思います。

 

それではみていきましょう。。。

 

こ の 記 事 の 目 次

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未経験者必見! 系列系ビルメンの実務作業 ~空調作業(調整) 前編~

大前提としてこれは覚えよう!! 空調用語『SA・OA・RA・EA』の意味について!

これからビルメン業務に就く人は、最低限の空調用語を最初に覚えておいた方がいいと思います。

恐らく常駐現場になれば、CRT盤(中央監視盤)というものが防災センターにあって、建物内空調環境や設備を一括管理していると思います。
※CRT盤はPCモニター上から各機械室などにある空調機や室内にあるエアコンなどの機器を動かすことが出来ます。

 

それで空調対応をするうえで、必ず用語として避けられないのが、段落タイトルにもなっている

 

『SA(給気)・OA(外気)・RA(還気)・EA(排気)』です。

 

これはCRT盤にもそう表示されていたりするので、この用語を理解できないと、空調関連の作業が全く分からないのと同じにあります。

 

さて上記の用語についてですが、絵で説明すると下記の画像のような形です
※白味噌の文字で加えておきました

 

ビルメン 空調 図 画像

 

画像にはEA(排気)が描いてなかったので付け加えました

 

上の画像ではRAとEAが別のダクトで個別で捨てているように書いてありますが、現場の設備環境によってはRA(換気)とEA(排気)までのダクトが途中まで同じで、空調機(AHU)の手前についているオートダンパーで調整している所とかもあります。(その時の室内温度二酸化炭素量の状況によって、EAを30%・RAを70%に配分する・・・というような感じで調整します。)

 

未経験者にとって、注意してほしいのは『RA・OA・EA・SA』が必ずあるものだ!!!っていう考えかたを持つのではなくて、設備によって若干仕組みや配置が違う』という心持でいってほしいと思います。

 

固定観念でこういうものだ!!っていう決めつけは危険ですし、設備をよく観察する視点が養われないので注意してください

 

さて、上記の図の中であまり身に覚えがないのがRAかなと思います。

RAについては、夏であればせっかく室内の冷えた空気を建物外に全て捨ててしまっては勿体ないので、一部を空調機(AHUとか)に戻してあげて外気(OA)とすり合わせて温度を出来るだけ低くしてあげます。そして、AHUで熱交換してSAとして室内に送ります。

毎回外気温35度の空気を全開で冷やしていてはとても熱源(冷凍機とかボイラー)が間に合わないですから、室内温度(26℃とか)と混ぜてあげることで熱交換時の空気の温度を出来るだけ下げる効果があります。


大体ですが、35度の外気と26℃の室内温度を組み合わせると、熱交前で(35+26)÷2=30度ぐらいのOA温度まで落してあげることが出来ます。外気との差でみると5℃~6℃くらいまでかわりますから、かなり大きな違いになります。

※RA・EAが過多になると、建物が『陰圧』気味になるので、逆に暑い空気が自動ドアから一杯入ってきやすくなったりもするので、省エネ効果としては難しいところかも。詳しくわかる方いたら、教えてね!

※ちなみに、RAが存在しないAHUも中にはあります。白味噌の現場は『外調機』とかってよんでました(これはEAとOA・SAのみ)。なので真夏時の、熱交換部の結露が凄かったりしますwぼたぼたしています。

 

この空調用語を覚えてほしいのはもちろんなのですが、実は上記の画像の各配置やその設備同士の関連性が後々空調の緊急対応の際に必要になってくるので、覚えてほしいのです。

これは次回の記事で話します。(気になる方は次回の記事:空調調整 緊急対応作業の項まで飛んでください)

 

 

大前提としてこれは覚えよう!! その②  『空調機の種類』について

 

これは前回記事にした、『未経験者が退職しないよう最低限準備しておくこと』で触れています。

二度同じことを説明するのが大変なので、そちらをみてくれると助かります。

 

未経験者だけどビルメンになりたい!すぐに退職しない為に『最低限準備しておくこと』をお伝えします。~後編~
00こんにちわ、白味噌です。 今回は前回の続きになります。(記事が長くなってしまった為) 前回に引き続き、未経験ビルメン(もしくは志望者)が本当の意味で入社する前にやっておけばいいこと...

 

 

その空調設備の種類によって対応の仕方が微妙ですが変わってきます。

これらの仕組みと違いを理解しておくことで対応が早くなりますので覚えておくことをお奨めします。

 

ビルメンの空調調整作業 その① ダンパーなどの調整

さて、実際の実務:ビルメン空調調整作業についてみていきたいと思います。

 

よくビルメンでクレームを頂くのが『部屋が暑い』、『風量が少ない』とかです。

 

このようなクレームの対応はまず現地へ行って上記のクレームが発生する理由を探ってみます

 

原因としては大元の設備(熱源とかの運用状態)と現地の空調機の運用と室内の吹き出し口の状態などが原因になることがほぼきまりです。

 

末端(空調機の吹き出し口)やダクトのダンパー開度が絞られている(開いていない)ということもありますので、現地確認は必須ですね。

※ちなみにダンパーっていうのは『空調ダクト(空気が通る配管のこと)の途中にある『羽』のことで、この開度で風量を調整したりします。末端(室内)にあるダンパーは手動のものが多く、空調機などについている開度調整ダンパーは電動のものと手動のものがセットで付帯していたりします。まぁ、設備や現場によって違います。確認してみるといいと思います

 

さて、エアコンとかなら室内機内に風を吸い込んで冷やした状態で吹き出し口から冷たい風が吹き出すだけですから空調調整は『温度設定・ルーバー(羽)の風向き』の設定ぐらいで終わります。

 

ですが、一次空調(外気を取り入れて熱源を利用して温度調整して室内にとりいれる空調機:要はAHUとかのこと)はどうしても大元の空調機で冷やした(温めた)ものをダクトを通じて室内に運び入れるので、その部屋の一次空調用のダンパーが閉まっていると全く冷えた(温めた)空気が入ってこないわけですから、室内もしくは室内に入る直前のダンパーの調整が必要になったりするわけです。

 

実際の調整方法ですが、現地でアネモ(四角かったり丸かったり色々な種類があります)を取り外して、中にあるダンパー調整の蝶番を緩めて全開~全閉の丁度いい開度で調整します。※下記画像のようなやつ。

 

アネモ 種類

アネモ ダンパー

 

未経験者の方は『アネモ:ダンパー調整:やりかた(方法)』とかで調べてみるのが良いと思います。

 

 

ビルメンの空調調整作業 その② エアコンの空調吹き出し口の調整

前述の通り、エアコンは現地の利用者の方で調整できるので、空調クレームがくることはあまりないのですが調整しても風が直接当たるとかいったお言葉を頂くことがあります。

 

エアコンのルーバー調整だけでは防げない場合は、エアコン用の後付の羽(エアーウィング)を付けたりすることがビルメンに指示されて作業したりします。下記の画像みたいのがそれです。

 

 

テナントによっては各自で付けている所もありますね。

テープで直接パネルに取り付けたりするタイプもあれば、室内機のパネルと天井ボードの隙間に差し込んで固定するタイプもあり、色々あります。

こういったものを取り付けるのもビルメンの作業であったりしますので覚えておいて損はないです。

ただ取り付けるだけなので、簡単です(笑)

 

 

ビルメンの空調調整作業 その③ CRT盤からの操作:空調機運転延長依頼や温度変更の調整作業

 

先程、CRT盤について簡単に触れましが、現場によっては利用している部屋のAHUの空調スケジュールが決まっており、その時間を超えると当然空調機は停止します。


空調機の発停は防災センター(CRT盤)からか機械室からではないとできない
ので、残業をする職員の方から防災センターに空調機の運転延長の依頼が来ます。

そういったときは、残業する職員のかたに終了時に運転停止のご連絡をするよう指示し、そのエリアを該当する空調機を運転してあげます。・・・・ワンクリックでぽちっという感じです。ただそれだけ(笑)

あと、CRT盤から温度調整が出来るものが多いので、暑い・寒いなどのクレームがあった際はCRT盤に温度や湿度を変更してあげます。

 

ただエアコンなら常時温度変更も可能なのですが、AHUなどだと『冷房・暖房』が開始されているかいないかで、温度調整してあげられるか否かが決まります

 

というのも、AHUに熱源である『冷水・温水』を送っていないと、温度調整が出来ない仕組みなので、そもそもの熱源(冷水・温水)を送っていないAHUはただのばかでかい風を送るだけの機械になります。そうなると温度を変更してもなにも変化が起きません。

 

※下の画像の熱源と『冷水』と『温水』の部分に注目。要は熱源が動いていないと、この冷水と温水がただの『ぬるま水』のような感じで『冷却コイル・加熱コイル』に流れるので、温度変化を起こすまでの温度に達していないからそこに風があたっても温度変化が発生しないのです。

 

ビルメン 空調 図 画像

 

空調調整したくても出来ない状況だと、当然熱い寒いのクレームになるわけですが、ビルメンには冷房や暖房の開始を判断する決定権がないありません。 そうなると、PM会社の担当者たちに相談したりする感じです。

 

ただビルメンからPM会社に相談しても『我慢させとけ!!』と言われるだけで何の進展も得られず、その場に居合わせたビルメンがお客様から怒られるので、そんなの絶対嫌な白味噌は、お客様に直接PM会社にクレームを入れるよう伝えちゃったりします(笑)

 

『僕らにいっても請求力がないので、お客様から直接言った方が早く冷房(暖房)開始してくれますよ』ってww 最低でしょ(笑)

 

お客様の心情を理解した対応をすることが、結果的にビルメン自身を助けることになるのです(笑)

前半 まとめ

ちょっと一杯書いたので疲れてしまいました。

空調調整作業編 ~前編~はここまでとして、次回、後編を書きたいと思います。

後編の内容としては

①『熱源機器と空調機の負荷調整について』

②『空調故障時の緊急対応について』

 

の2題について書きたいと思います。

後編は前編を踏まえた上で対応していくことになる事象について書きます。
ビルメンの対応としては知っておいてほしいことですので、興味ある方は見てくれると嬉しいです。

 

それではまた次回おあいしましょう!

 

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